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1.太陽撮影の注意点 |
太陽は強烈な光と熱を出していますので、正しい方法で観察しないと網膜症を引き起こし、最悪の場合は失明の恐れもあります。肉眼での直視はもちろん、望遠鏡や双眼鏡等で集光しての直視は更に危険ですので、絶対にしないで下さい。
太陽を撮影するためには、D4(ND10000、露出倍数1万倍)やD5(ND100000、露出倍数10万倍)といった減光フィルターが必要です。75mm角や100mm角のシートフィルターや枠に入った丸形のガラスフィルターが市販されていますので、撮影に使う機材に適したものを購入しましょう。これらのフィルターは金環日食需要で品不足が予想されますので、早めの購入をお勧めします。
フィールドスコープの対物レンズ側にはフィルターを装着するためのネジが切ってありますので、これを利用してフィルターを取り付けます。フィルターは必ず対物レンズの前に装着して下さい。光学系の中間や焦点面付近に装着すると、熱でフィルターが割れる(結果、目やカメラ等に重大な障害が生じる)恐れがあり危険です。また、これらのフィルターは撮影用であって、太陽を肉眼で見る用途は考慮されていません。十分に注意して下さい。
参考: |
各スコープのフィルターネジ径を示します。必要に応じてステップアップリングやステップダウンリングを併用して下さい。 |
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・コーワTSN-774:82mm
・コーワTSN-884:95mm
・ニコンED3:67mm
・ニコンED78:82mm
・ニコンED82:86mm |
太陽を肉眼で見る場合は、日食専用グラス(商品名は様々です)が市販されていますので、必ずこれを使いましょう。不適切な方法(例えば黒い下敷きなどを使う)だと、可視光は十分に減光されても赤外線や紫外線の減光が不十分なことがあり危険です。 |
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2.太陽の導入 |
目にとって危険な太陽をどうやってカメラのファインダーに導入するかですが、太陽を見る必要のない安全な方法としては、地面に出来た機材の影を利用する手があります。照準器を使う場合は、その前方に日食専用グラスを置く(LEDのスポット光は減光されません)方法がありますが、不用意に日食グラスが外れないよう注意が必要となります。また、眩しい太陽のほうを向いて撮影することになりますので、液晶フードを付けるかEVFを利用しましょう。また、太陽の直射光を目に入れないよう十分に注意して下さい。
導入後、太陽は地球の自転等の影響でどんどん移動します。手早く、かつ出来る限り高速シャッターで撮りましょう。何枚か撮ったら構図を調整し、また手早く撮影・・・これの繰り返しになります。
撮影中はデジカメの液晶画面やEVFを見ることになりますが、光学ファインダーと違って太陽の像を直視しているわけではないですから、目にとっては安全です。とは言え、カメラの撮像素子や光学系に対する安全性は別ですので、対物レンズ側に付けたフィルターが不用意に外れたりしないよう十分に注意して下さい。 |
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3.露出時間について |
D5フィルター使用時にISO100、F8で1/800秒が適正とされています。この数値はあくまで目安ですので、ご自身の機材で事前にテスト撮影を行って適正値を把握しておくことをお勧めします。
バックの空は真っ黒になりますので、スポット測光かつマニュアル露出が適しています。また、太陽は均一な明るさではなく周辺が少し暗いですから、部分日食が進行して金環日食に近付いた際には露出を少しプラス側に調整する必要があります。
太陽が大きく欠けてくるとスポット測光も使えなくなる可能性が高いですから、欠け方が少ないうちに露出時間を決定しておいて下さい。金環日食当日の撮影にあたっては気象条件の影響もあるかもしれませんので、露出を変化させながら連写しておくと安心です。 |
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【photo3】
デジスコで撮影した太陽の画像です。黒いシミのように見えるのは黒点と呼ばれる温度の低い部分です。また、周辺が少し暗いのがわかります。ホワイトバランスは曇天に設定しました。(少し色が付いたほうが太陽の雰囲気が出ると思います。)F6.3、1/3200秒で撮影しました。 |
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【photo4】
フジのND-4.0フィルター(露出倍数1万倍のシートフィルター)をケンコー製テクニカルホルダーII(大)に取り付け、スコープ先端に装着した状態です。コーワTSN-774やニコンED78ではステップアップ/ダウンリングなしで装着できます。(フィルターネジ径82mmです。)今回の作例はこの機材で撮影しました。 |
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【関連情報1:金星の太陽面通過】
6月6日に金星の太陽面通過が起こります。小さく丸い金星が太陽面を通過して行く様子が観察でき、金環日食と同じように撮影できます。金環日食より更に希な現象で、次に起こるのはなんと2117年です。
【関連情報2:ケアンズで皆既日食!】
11月14日の朝、オーストラリアのケアンズで皆既日食が起こります。地上はほぼ真っ暗になり、金環日食では見えないコロナやプロミネンスが浮かび上がってきます。一生に一度は見ておきたい神秘の世界です。そしてケアンズは有名な探鳥地でもあります。うーん、行ってみたいですね。 |
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KOWA ステップダウンリング
(95-82mm/95-77mm) |
販売価格:\3,360-(税込) |
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シュミット
NDフィルターD5 52mm |
販売価格:\5,985-(税込) |
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シュミット
NDフィルターD5 58mm |
販売価格:\6,380-(税込) |
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シュミット
NDフィルターD5 62mm |
販売価格:\8,500-(税込) |
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シュミット
NDフィルターD5 72mm |
販売価格:\10,600-(税込) |
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シュミット
NDフィルターD5 77mm |
販売価格:\10,700-(税込) |
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マルミ光機
DHG ND-100000 58mm |
販売価格:\6,480-(税込) |
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マルミ光機
DHG ND-100000 77mm |
販売価格:\10,800-(税込) |
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